「俺、来週からこのクラスに入るんだ」





「名前は?」





「‥秘密?」





名前ぐらい教えてくれたっていいじゃない…!





てか自分で言っといてなんで疑問系?





そう思いながらも初対面だから‥とこらえて、またグランドに目を向ける。





「君の想い人はサッカー部なんだ」





「‥彼氏」





「部活に一生懸命になるなんて馬鹿馬鹿しくね」





「‥‥‥」





あえてなにも言わず次の言葉を待った。





「赤の他人の指示通りに動いて、頑張っても中々認めてもらえない。たかが顧問に何が分かるっての」





今は悠斗の話をしていたはずなのに、彼は外で走っている陸上部を見つめていた。