放課後、悠斗の部活が終わるのを待ちながらグランドを眺める。
あ…悠斗だ。
悠斗はサッカー部で、今も仲間たちと一生懸命ボールを追っている。
「かっこいー…」
「誰が?」
ん?
教室には私しかいないはずなのに聞こえた低い声。
前の席をみると知らない男の子がいた。
「‥‥‥王子様‥」
「ん?俺?」
驚きながらも笑いかけてくれた。
ていうか、いるの気付かなかった。
「王子様なんて始めて言われたなー」
「え、あ…ごめんなさい!」
「んっ」
頬杖をつきながら私の頭を撫でる彼の顔はすごく整っていて、本当に王子様のようだった。
