「悠斗ごめんっ」
朝ごはんも食べずに飛び出して、玄関にいる悠斗に謝る。
「そのセリフ、聞き飽きたんだけど」
そう言いながらも手をつないでくれるのは彼氏の悠斗。
毎朝こうして玄関で待っててくれて、一緒に高校に向かう。
「だからごめんってば。あ、今日もあの夢みたんだー」
「お姫様?」
「うん。私はママの言う立派なお姫様になれたのかな?」
「なれたっしょ。白馬の王子様もいるわけだし?」
さらっとナルシ発言をした彼に、黙りこんだ。
「そこ黙るな(笑)」
なんて笑いながら歩いていると、あっという間に到着した。
