ピリリリリリ――ッ!





「んぁー…っ…」





私の1日は、耳元で鳴り響く目覚まし時計を止めることから始まる。





「ママ、おはよう」





ベッドから降りてまずは仏壇の前で手を合わる。





「また夢みたよ。ママ、…私立派なプリンセスになれたかな?」





写真立ての中で微笑んでいるママに問い掛けるが、何も返事はない。





当たり前だけど。





物心ついた頃に病気で亡くなったママとの思い出はあまりない。





ただはっきりと覚えているのは夢でみたお姫様のお話だけ。





「やっば!悠斗待たせてるんだった…」