「なんか不満?」
『...別に』
絶対なんか、ある。
まあいいけど。
私はあることを思い出した。
幸樹君が言ってた________
「_____祐也さんって誰?」
ガシャン
向こうの方で何か物が壊れたような音がした。
「北斗?」
『.........なんで、知ってンだよ...』
「え?」
北斗の声があまりにも低くて、
思わず聞き返した。
「ごめん、聞こえなかったんだけど...
もう一回言ってくれる?」
『なんでもない。
切る。』
「えっ?」
『他に言いたいことがあるなら十秒以内に言え。
1, 2, 3...』
私はあわてて言った。
「ちゃ、ちゃんと勉強してね?」
向こうで北斗がふっと笑ったような気がした。