「向井」
後ろから声をかけられた。
その落ち着いた声に反応して振り返る。
「せっ、先輩っ!」
生徒会長の岡村康生先輩。
私が唯一尊敬する人で、憧れの存在である。
「また1位みたいだな」
「先輩も...」
頬が熱くなっていった。
「すごいな」
「せ、先輩も...」
瑠奈は一歩後ろに下がり、ニヤニヤしてる。
岡本先輩は、少女漫画にありがちな存在。
いわゆる『学園のアイドル』だ。
そんなのが現実にいるわけないと思ってた私だけど、どうやら間違ってたみたいね。
容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。
おまけに優しいとくる。
なにもかもが『完璧』な人。
....いいな。
憧れる、わよね。

