朝日が射して、日が昇る。

どこか遠くで鳥の声が聞こえる。

目が開く。

しんとつっぱった空気を吸い込み、私はベットからはいでる。

「ううっ・・・。さっむい・・・」

さすが北の国の朝。
暖房が入ってないと、凍死するんじゃないかってくらい寒い。
私は、冷え切った体を包み込むように、厚手のベージュのカーディガンを羽織り、

もこもこ素材のあったかい靴下を履いた。

そのまま、1階へと下がる。

廊下はもっと寒くて、ひんやりした空気はなぜだか心が悲鳴を上げてるみたいにきりきりする。

廊下のドアを開けると、さっきまでの空気からは想像もつかないくらいふわっとした空気が私を包み込んだ。
私はしばらく、その天国のような暖かい空気に浸る。
この空気に包まれて、あったか~くて、こ~いアレがのみたいんだよねぇ・・・。
「ママー、ココア!」
「有紗!朝起きたらまず『おはようございます。』でしょう!だからあんたは落ち着きがないって高校生になってまで言われるのよ!?」

うー。うるさいよぉ、ママ。朝から怒んないでよぉ。確かに私ー、宮口 有紗は勉強のレベル中の下くらいの高校3年大学付属の学校に通う、運動と元気だけがとりえで高校2年の通知表に『落ち着きがない』って小学生並みのことを書かれた私だけどさ、そこまで怒らなくても良くない!?・・・でも、朝から起こられるのも気分良くないし・・・。

「ごめんなさい、ママ。おはよう」
「はい。おはよう。『ございます』をつけたら100点満点」
「うー・・・。おはようございます」

私のママは、何かと厳しい。うーん、厳しいんじゃなくて、うるさいのかなぁ。

すっかり不機嫌になった私は、ココアを渡してくれるママに、「ありがと」と、無愛想に言い、そのままココアをグイッと飲んだ。

その後もそんな調子で出された食パンにハムと目玉焼きとしゃきしゃきのレタスをのせた簡単で一般的な朝食を一気に食べた。

あーあ、週に1回とかでもいいから、ホットケーキとかワッフルの朝ごはん、たべたいよなぁ!!


ご機嫌ななめのまま、制服に着替える。
この制服は、紺色のブレザーに青のリボン、短めのグリーンのチェックスカートと個性的だが、そこそこかわいい人が着たらとびきりかわいく見える。私の通う学校はここら辺では制服で有名な学校で、このかわいい制服目当てでこの学校に来る人も少なくない。

このかわいい制服に着替えて、鏡の前でくるりと回るー、それが私の日課で、楽しみでもあるんだよねー!

やっと機嫌をなおした私は、玄関でカラフルな運動靴をはき、つま先をトントンと鳴らしながら、

「いってきまーす!!」と、言い、家を飛び出た。

そして、私は走る。

ーーーあの人の、ところへ。