「私のことならともかく真里のことまで言わないでくれる?」


女子2人を睨みつけながらそう言い放った。
 

2人組は顔色を変えながら私を睨みつけトイレから出て行く。


「直接言えないじゃん」


私はため息をつきトイレから出て行く。

 
曲がり角で鈍い音がした。 
  

どうやら誰かとぶつかったみたい。


「すいません」


「こっちこそごめんね?」
  

顔を見上げるとぶつかった相手は


黒瀬くんだった。


彼のうん以外の言葉を聞いたのは初めてだ。


男の子にしては若干高い声で透き通ってるような声だ。


「神崎さんって意外に度胸あるね」   


「は?」


「トイレでの会話聞こえた」


「そうなんだ」


なんて言っていいか分からずつい拍子抜けに言葉を放つ。