下に下りてから、大樹くんはあたしに飲み物を入れてくれた。
大樹くん……優しすぎだよ。
「はい、麦茶でよかった?」
「うん、ありがとー」
麦茶を飲んでいると、あたしの携帯が鳴る。
「唯華から?何だろ」
メールの内容を見てみると、夏祭りのことだった。
「夏祭り……今日だよね」
あたしはボソリと言う。
「夏祭り?あ、今日だな」
忘れていたのか、思い出したように言う大樹くん。
夏祭り……一緒に行きたいなぁ。
でも、バレちゃうからダメだよね。
「夏祭り……行く?」
大樹くんがあたしに言う。
「へ……行くっ!!」

