「大丈夫!今回はケガしてないよっ!」
あたしが元気いっぱいに言うと、ホッとしたように一息つく。
心配かけてばかりだ。
ていうか、あたしまだ大樹くんに抱きしめられたままなんですが。
いつまで、やるのでしょうか!?
大樹くんは自分の体勢を正すと、あたしの頭をポンポンと撫でた。
そして、腕に一瞬力を入れた後、離してくれる。
「ありがと、迷惑ばっかかけてごめん
ね」
「別に迷惑かけてもいいよ。でも、心配かけさせないで?」
優しい大樹くんだからこそ、迷惑かけたくないんだよ。
だけど、あたしはうん、としか言えなかった。

