階段……かぁ。




改めて考えると、毎回あの時のことを思い出してしまう。







“昔と違うのに”







大樹くんが言ったその言葉が忘れられない。




何があったのだろうか。





そんなことを考えていると、足を踏み外す。






「わわっ!落ちっ……!」





大樹くんが振り向く。





大樹くんにぶつかっちゃう!




「え……?」





ボスッ





絶対痛いだろうと目を瞑った。





だけど、感じたのは痛さではなくて、何かに包まれたようにフワリとしていた。





あたしは、大樹くんに抱きとめられていた。