「今日で覚えられる?」



「えっ?あ、うん!」


「じゃあ、今日だけね。」


今日覚えれば、迷惑じゃないよね?



頑張って覚えないと!




──────────────────……



「この道を右に曲がって、真っ直ぐ。そして、二つ目の角を……左に曲がる。」



一つ一つ丁寧に教えてくれる大樹くんに応えるようにあたしは、頭にインプットする。



「……で、この先を真っ直ぐ行けば学校に着くから。」


「ありがとう。すっごく分かりやすかった!」



「ならよかった。」



軽く微笑む大樹くん。




と、そんな時。