大樹くんと出会ったのはあたしの誕生日でもあるお見合いの日。




でも、もっと前に出会っていた。





まだ自分一人では何もできない時。





何もできなかったばかりに、ケガを負い、記憶まで消し去った。





あの時のことをあたしは酷く後悔した。







……でも今は、後悔してないよ。






どれだけ時間が経ってしまっていても、変わっていなかったものがあったから。




大樹くんのあたしへの気持ちは、変わらなかった。





あたしも、胸の奥底に大樹くんへの気持ちがあった。





遠回りしてしまったけれど、想いを伝え合うことができた。