「きっといつかは思い出すはずだったんだ……忘れていても本当に忘れることはできないんだから」




悲しそうにそう言われた。




本当には忘れられない。




その言葉が胸に突き刺さる。





「とにかく、俺は樹里を責めることなんてないよ。樹里が好きだから」




「っ、大樹くんっ!大好き!」





あたしは大樹くんの服を引っ張り抱きついた。






「うわっ、あ、ぶね!」




油断して力を抜いていた大樹くんはあたしの方へ傾く。




「っ!?」




あっ、あたし!





何やってんの!?




ギュッと目を瞑る。





ドサッ




あれ?平気だった?




ゆっくりと目を開ける。