「こんにちは〜」 スタジオのドアを開けて呼びかける。 「颯たちはまだ来てない?」 「うん、いないね」 中に入ると誰かが隣の部屋から出てきた。 女の人だ。 年齢はあたしたちと近いかな? 「あ、いらっしゃいませ!櫂〜、お客さん!」 「花純、名前聞いといて〜」 女の人は“かすみさん”という名前みたいだ。 今の声……香月さんだよね。 「あ、そうだった。お名前は?」 「藤堂と中谷です」 大樹くんがそう伝えると、彼女は会釈をして奥の部屋に行った。 数秒後、ガタッ!と音が聞こえた。