「樹里も?」
「え……あ、うん、あたしの家系って大樹くん家みたいに結構裕福で。そのことが原因で罵られたりとか」
やばい、話したら結構キツイや。
あの時のことを思い出してしまう。
みんなの軽蔑した目。
何もした覚えがないのに勝手に濡れ衣着せられて。
男子は男子で意味も分からず寄ってくるし。
それを見てさらに罵ってくるし。
「俺たちって、案外似た者同士なのかもな」
ポンポンと頭を撫でられた。
「キツイ時には無理しなくていいんだから」
「……っん、ありがとう」
涙が出そうになったけど、優しい言葉に癒された。

