「俺と結婚してくれますか」




「……!」




言葉にならなかった。




してくれますか、ってしたいもん。





「俺と結婚、してください」



「はい……」




嬉しかった、素直に。



改めて大樹くんが婚約者だと思い知る。




彼は、あたしと結婚してくれるんだ。



そんなこと思うのあたしだけだと思ってたよ。




あたしたちは、笑いあったあとまた触れるだけのキスをした。




幸せな時間だった。







……でも。







後日、あのことが本当に実現されるとは思ってなかったよ、うん。