あたしから、好きって気持ちを伝えたい。 精一杯抱き締めようとするけど、あたしの体より大きい大樹くんはあたしをすっぽりと包んでしまった。 「これからは絶対、何があっても守るから」 止まった涙がまた出そうになった。 もう、泣かすようなこと言わないでよ……。 好きって気持ちが……愛しいって気持ちが溢れ出る。 「婚約って、嫌だな」 「……ん?」 ふと口からもれた言葉だった。 「あ、婚約って結婚じゃないから……何て言うか、その」 うまく言葉が出てこなくて口ごもる。 「そんなことか」