“約束” 心と体に傷を負った小さなあたしが取り付けた小さな大樹くんとの約束。 「あの時から、辛い思いさせてごめんね、思い出さなくてごめんね」 「……」 「全部思い出したよ、大樹くん」 一言一言噛み締めるように紡ぐ。 「今さっきもだったけど……昔も、助けてくれてありがとう」 「……え」 力の差が大きいのにも関わらず、小さな体であたしを助けるために。 「立ち向かって行ってくれて、ありがとう」 心から……大好きです。 「あのね……っ」 次で、あたしたちを縛る言葉の鎖は無くなる。