「……」 何も言わない大樹くん。 「……っ」 「ちょっと待って」 なんとか涙を止めようとするあたし。 そんなあたしを大樹くんが引き止める。 こんな顔を見られたくないと、あたしは歩き出す。 「待てって!」 グイッと腕を引かれてあたしは立ち止まる。 「ご飯……作るから、離して、」 「ご飯は後でいい、話したいことがある」 話したい……こと? 別れ話とか? もうめんどくさくなったから、婚約破棄、とか。