「いい加減直したら?モデルとしてスカウトする時の癖」
スカウトする時の……癖?
「僕のもの、とかお嫁さん、とか……ストーカーみたいだからやめてよ」
「しょうがないだろう!スタジオの決まりでモデルは僕らの嫁なんだから。それに、ウチは恋愛禁止だよ」
別れてもらわないと困るんだ、と仕方なさげに言う。
「初対面なのにそのこと知ってるわけないじゃん」
そ、そうだったんだ。
勘違いしたあたしも悪いけど、香月さんもちょっぴり悪いよ。
「この会話聞いて、櫂兄だって思ったから急いで来たんだけど……」
間に合わなかった、と悔しげな顔を唯華はした。
そこで、あたしは口を開いた。

