「もちろん、モデルのスカウトだよ」 樹里は素晴らしいからね、と涼しげな顔で言う。 「「……は?」」 あたしと大樹くん、同時に声を発した。 「あれ?樹里は理解してると思ったんだけどなぁ。僕のモデルになってほしいんだ」 ……モデル? なんの? 「雑誌のモデルでしょ、櫂兄」 聞き慣れた声が聞こえた。 「唯華……!」 「ちょっと、何様のつもりで樹里に跨ってんのよ!どいて!」 怒る唯華に香月さんはあぁ、ごめん、と言ってどいた。 やっとどいてくれた……じゃなくて!