「大人と子供の力の差、だからね。顔や体が傷だらけになったらしいよ」
……そんなこと。
聞いてないよ、何も。
思い出してもいなかったよ。
「でもそれ、本当なんですか?」
「そうだよ、調べて聞いた結果だからね」
大樹くん……あたしを助けようとしてくれたの?
戻って来てくれたの?
小さい体で?
助けを呼べたはずなのに。
あたしの目からは、再び何粒もの涙が流れた。
力が叶わないことは一目瞭然。
なのに、助け出そうとしてくれた。
それだけで、あたしは嬉しいよ。
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