「ごめん……ごめんね」
小さいあたしのように、涙がボロボロと流れた。
あたし、本当に最低だ。
何も知らないくせに、知ったようなフリして。
大樹くんに何もかも背負わせて。
あたしより、大樹くんの方が傷ついてる。
それに、ヒントはお見合いした日に言ってたじゃない。
6〜7歳頃のこと憶えてるか、って。
知りたいと思ったくせに知ろうとしなかったあたし。
バカだよ、本当に。
あの時から再会した今まで。
「思い出さなくて……ごめんね」
涙とともにその言葉をつぶやいた。
もう忘れないよ、絶対に。
あたしは全部、思い出したから。

