『じゃあ、おねがいがあるの、だいきくん』
小さいあたしは、涙を目に溜めて、でも泣かずにこう言ったんだ。
『あたしがそのことを、おもいだすまであたしのなまえよばないで?』
『え?』
『あたしがそのことをおもいだしたら、なまえをよんでってぜったいにいうから……それまでまってて』
え……?
思い出したら名前を呼んでって言うから……それまで待ってて?
『……わ、わかった。じゃあ、かならずまもってね』
『うん、ぜったいいうから……やくそくだよ!』
“やくそくだよ!”
そう言った小さいあたし。
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