「何話してたの?助けてほしいなんて」
「え、それはあたし友達に相談してることがあってそれについて……」
ふーんとまだ納得してなさそうな感じだ。
「香月さんのこと、悪く言うわけないじゃないですか!」
イヤだったけど無理やり言った。
正確には、機嫌を損ねないように。
損ねてしまったら何されるか分かんないから。
そんなあたしにパッと顔を明るくさせた。
「よかった、それじゃあ、進めていいんだね」
「……えっ?」
あたしは後ずさりしようとした。
だけど、それは出来なかった。
ギリッと手を強く握られて逃げることが出来ない。