「君は、中谷樹里さんだよね、樹里ってこれから呼ぶからね」 ゾクリとした。 「僕の名前知ってる?」 「い、いえ、知りません……」 「そうか、僕は樹里の未来の夫の香月櫂だよ」 香月、櫂……。 知らないよ、ていうか未来の夫? あたしの夫は大樹くんですけど!! ガチャンッとドアが閉められた。 「さあ、これで2人きりだね」 ……気持ち悪いっ!! 「すみません、帰っていただいても……きゃっ」 ドンッと床に押し付けられた。 「痛っ……」 あたしは男の人を見た。 そして、耳を疑う言葉を聞いた。