「何?あたしが理由を聞くのはナシよ」
「そうじゃなくて、今日の放課後、颯先輩と話したいことがあるから時間もらっていいかな?」
颯先輩なら、あたしの記憶について何か知ってることがあるかもしれない。
「いいけど……じゃあ、今日委員会だからその時ね」
颯は委員会出ないから、と言う。
「……お願いします、本当にありがとう」
あたしは笑ってお礼を言った。
「でも、多分颯もあたしと同じようなことしか言わないと思うけど」
「それならそれで、そのことが確定なんだからいいよ」
それからは、いつも通り普通の話をして、笑い合って過ごした。

