「口だけの約束なんていらないよっ……」 「……っ!」 こんなあたし、嫌い、大嫌いだ。 ピクッと反応した大樹くん。 こんなことしか言えなくてごめんなさい。 でももう、言葉を取り消すのは遅すぎて。 「あ、の……っ」 「……ごめん」 「え……っ」 ギュッと抱き締められた。 抱き締められる時に見た大樹くんの顔。 悲しそうな顔だった。 なんで、なんで? 悲しくなるなら教えてよ。 呼んでくれない理由。 あたしだって知りたいよ。