「あっ、あたし、ピザ食べたい……かな」 「ピザ?」 「だ、ダメかな?」 あんまり食べたことないんだよね。 宅配ピザは一度も無い。 だから、頼んでみたいんだ。 「いいよ、それにするか」 快く了承してくれたのでピザを頼むことにした。 頼んだ後、あたしは意を決して聞こうと大樹くんに話しかけた。 「あ、あのさ、大樹くん」 「ん、何?」 いつもの優しい顔だ。 今なら聞けるかも。 「ちょっと聞きたいことあるんだけど……あたしの名前、さ」 聞きづらくて俯いてしまう。