「あのっ、大樹くん」 「ん?どした?」 拒否しないで……! 「えと、その、あたしのなま……」 「すみません」 ……え? 「道が分からないので教えて頂きたいのですがよろしいですか?」 「いいですよ、どこですか?」 あたしの話を遮って道を尋ねてきたのは男の人だった。 年はあたしたちとそんなに変わらないかも。 それよりっ、せっかくのチャンス逃したっ! 「ここなんですけど……」 大樹くんの肯定の言葉に安心した様子を見せた男の人は1枚の紙を見せた。