「でもっ、大樹くんはあたしのこと襲ったりしないでしょ?」





あたしはこう言った。




大樹くんはそんなことしないよね!





でも、あたしの想像していた言葉とは違う言葉が返ってきた。






「俺も男なんだよ?何するか分かんないからな?」





ポンと頭に手を置かれる。





何するか分かんない……か。




あたし、大樹くんなら何されても大丈夫だよ、きっと。





「よし、帰るか。遅くなると寒いから」





手はいつの間にか離れていたけど、また手を繋いでくれた。





さっきの路地へ戻ってくる。





あたしたちはゆっくり歩き出す。