「無自覚は俺が困るから」





無自覚?





それ、唯華にも言われたんだけど。






「誰かに襲われたらどうする?嫌な思いするよ」






襲われて、嫌な……思い?





「だ、大丈夫だよ!あたし武道習ってたから襲われても平気!」





ニッと笑ってみせる。





そんなあたしに大樹くんはハァ、とため息をついた。






「そう言う意味じゃ無いんだけどな」





じゃあ、どういう意味……?






「ちょっとこっち来て」





「?うん……」





手を掴まれ、家と家の狭い間に連れて行かれる。





「ここで、何するの?」





首を傾げて聞くと、大樹くんはフッと笑った。