「あと20分で終わりだって」
「じゃあ、戻るか。外も寒いし」
あたしも立ち上がる。
その時、着信音が鳴り響いた。
「誰……?あ、」
相手から電話がかかってくるのは初めてだった。
どうしたんだろ。
「もしもし、こんにちは」
『ごめんな、樹里ちゃん。いきなりかけて』
電話の相手は颯先輩だった。
「どうしたんですか?あたしは唯華じゃないですよ?」
『知ってる知ってる。唯華からさっきメール来たんだけど電話しても出ないんだよ』
唯華に電話して出なかった……?
あぁ、そりゃそうだ。
多分盛り上がってる途中だと思う。

