「うっ……えっと、うん」
篠田くんだけに教えようかな。
その方が理解しやすいし。
「あたし、もう少ししたら結婚……するんだ」
ポツリポツリとあたしは話し出す。
篠田くんは少し驚いた顔をして。
「すげぇな、ぶっ飛んでるけど」
「あはは、だよねぇ」
ぶっ飛んでるとは思う。
あたしも最初ビックリして信じられなかったし。
でも、今となっては一緒に暮らしているのは普通のことで。
変えてしまったらきっと、寂しい気持ちになってしまうんだろう。
あ、あたしがね。
「そっか、じゃあもう、諦める」
「へ?」
諦めるって……何を?

