「じゃあ、寒いけど外に来てもらっていいか?」 「うん」 唯華や鈴音たちに見送られながら篠田くんについて行く。 外に出てすぐのベンチに向かった。 「ここでいいか」 篠田くんがゆっくりと座る。 あたしも、その隣に座らせてもらう。 「あのさ、それで……この前の返事なんだけど」 いよいよだ。 「あ……っと、ごめんなさい!あたし、婚約……好きな人がいるの」 婚約……って言ってハッとし、慌てて言い換えた。 「婚約?中谷誰かと結婚すんの?」 けれど、遅かったみたい。