「えっと、彼氏って言うかその、」
「婚約者なのよね」
「ちょっ!唯華!?」
唯華の言葉に鈴音たちは一様に驚いた表情をする。
「まさか、彼氏を通り越して婚約者だなんて……」
そんな大げさな……。
「その人どんな人なのっ?」
弾んだ声に、キラキラした目。
いかにも期待した目を見せる鈴音。
「あ、それは年上イケメン御曹司」
「ゆゆっ、唯華!」
それ以上言ったらダメ!
鈴音に大樹くんだってバレる!
「な、何?」
「それ以上は何も言わないでっ」
唯華はこの前のこと知らないのだ。
言ってしまうのも無理はないけど。

