「うわぁ、人いっぱい」
「ホント、時間かかりそうだな」
長蛇の列に並ぶ。
少しずつだけど前に進んで行く。
参拝してやっとの事で抜け出せた。
「ふぅ、終わったね」
「並ぶだけでも疲れたんじゃない?」
「結構……でも来れて良かった」
さっきまで繋いでいた手はもう離れてしまっていた。
そんなあたしを見ていたのか。
「手、繋ぐ?人多いから夏祭りみたいにはぐれたらイヤだし」
「お願いしますっ」
大樹くんからのお誘いにあたしはそう言って、手を繋いでもらった。
ブラブラしていると、とある人たちが目についた。
あ……。

