「ないない、ありえない!」 あたしはブンブンと首を横に振った。 あたしが可愛いなんて天地がひっくり返っても無いでしょ!! 「こら、髪を振り乱さない。ボサボサになるよ」 ボサボサでいいよ! だけど、そのままにしておくと文句を言われるので渋々直す。 「あと20分で戻る時間だね」 あたしは、アリスのチェシャ猫の形をした腕時計を見る。 この時計、文化祭が終わったら貰えるんだって。 可愛いなーって思ってたからよかった。 これから毎日着けようかな。