か、かなり大きかった! ギュウッと大樹くんのシャツを握りしめる。 あたしはクモが大嫌いなのだ。 虫の中でも一番。 昔、腕に登ってきたことがあって、それから嫌になった。 「クモ……嫌い?」 そう言われてコクコクとあたしは頷く。 「嫌い……怖い」 そう呟いたと同時にポンと頭に手を置かれた。 「大樹くんっ……」 「大丈夫、もうあっち行ったから」 あたしは、さっきのクモの方を見た。 そのクモは隅っこに行っていた。