「あたしも手伝うよ」





近くにあったシャツに手を伸ばす。




だけど、ヒョイとかわされた。





「それじゃ危ないから、このブレザー持ってて」




まだ、ガラス付いてないか見てくれる?と簡単な仕事を任せられる。





あたしは素直に従った。





でも、こんな簡単な仕事でいいのかな?





「ケガ……ごめん、本当に大丈夫?あの場に居合わせたばかりに……」




「何言ってんの。守ることが出来たから俺は後悔してないよ」





大事な婚約者だから、と微笑みながら言ってくれる。





婚約者、かぁ。





少し切なくなった。