「大樹くん!あっ……」




大声を出したあたしは、ハッと口を押さえ周りを見る。





幸い誰も周りにはいないみたいだ。





「ごめん、ちょっと保健室行ってたから」




そう言うと、大樹くんは左手を見せた。





手には包帯が巻かれている。





「ケガ……」




とてつもなく申し訳ない気持ちになった。





「ごめんなさい、守ってくれたり、ケガさせちゃって……」





フッと、大樹くんは笑った。




「気にしなくていいよ。俺がしたくてやったことだし」





気遣ってくれてるのかもしれない。