「や、あの藤堂先輩のジャージを……取りに来たんですけど」
「ジャージ?何かあったの?」
あたしは、愛美さんに事情を話した。
「そうなんだ〜。じゃあ、颯!」
いきなり大声を出した愛美さんに驚くあたし。
「なんだよ、愛美と樹里ちゃん?」
愛美さんが呼んだ相手は颯先輩だった。
「大樹のジャージ取ってきて!」
「はぁ?大樹のジャージ?勝手に取ったら怒られんだろ!?」
言い合いが始まろうとしてる。
「あ、あの、あたしのせいでジャージが必要になったので……お願いします!取ってきてくれませんか?」
おずおずと言ったように切り出す。

