近くにはたくさんのガラスの破片が散らばり、野球ボールが転がっていた。





大樹くんがあたしを守ってくれた。





「ケガは?」






「え、してないです……」






大樹くんが抱きしめてくれたから。





そう心の中で言った時、






「いて……ちょっと、俺保健室行ってくる」





ブレザーからガラスの破片が中に入ったのか、気持ち悪そうにしてる。





あちこちに小さな傷がある。






「ついていきます」





断られないようにしっかりと言い、腕を軽く引っ張った。





大樹くんは、そんなあたしに何も抵抗しなかった。






そして……ヨロシク、とだけ言った。