「な、何か?」
一応知らない他人のフリをする。
「この、工具箱探してたんだ。工具室に行ってもなかったから」
相変わらず作ったような笑顔を見せる大樹くん。
「じゃあ、これ使い終わったのでどうぞ」
わたわたと慌てて工具箱へ工具を直し、渡した。
あたしは気まずくて外を見る。
外では、たくさんの部活動がスポーツをしていた。
「ありがとう、使い終わったら直しとくから」
あ……行っちゃう。
あたしは、引き止めるために大樹くんのブレザーの袖を掴む。
それと同時に大樹くんも振り向いた。
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