「あれは、不可抗力っていうか……咄嗟の出来事……なんだけど」
なんでこんなに苦し紛れの言い訳しかできないのだろう。
「別に、抱き合ってたんじゃなくて、あたしがいつものドジで、転びそうになったのを山崎くんが助けてくれて」
このあと何を言えばいいのだろう。
「だから、その……変に、思わないで……」
最後は懇願するようになってしまった。
「……別に」
あたしの言い訳を聞いて、大樹くんが始めて声を発した。
別に……?
「俺あのこと気にしてないよ。この前からそんな感じだったし、どうも思わない」
ズキンッと胸が大きく痛んだ。

