家の中に入ると、大樹くんはスタスタと歩いて行ってしまう。 「あ……」 あたしもあたしで、意気地なしだ。 あのことをどう思ってるのか、聞けばいいのに。 鞄を置きに部屋に行き、すぐさま下へ下りる。 大樹くんはすでに下にいた。 「大樹くん……話があるんだけど……さ」 思い切って話しかけると、あたしの方を見て軽く首を傾げる。 「何、話って」 もう、いつも通りの大樹くんだ。 「さっきの、お店でのことなんだけど……」 打ち明けてしまえば、流れに乗れるかもしれない。