「早く帰るって突然言い出してさ。樹里ちゃんと話、するんじゃないか?」




颯先輩も、あのお店にいた。




だから、知っているのだろう。




「呼んだ方がいい?」





「あ、いえっ!走って帰ります!じゃあ、また明日!」





早く行かないと大樹くんに追いつけなくなる!





「樹里、また明日ね!」





唯華の笑顔に見送られ、あたしは大樹くんを追いかけた。




いつもの道をダッシュで走り抜ける。





つ、疲れてきた……。





運動部に入っていないあたしにはキツかった。





それから少し走ると、大樹くんが見えた。