あたしって、何でこう何回もつまづいてしまうのだろう。





ドジ過ぎにもほどがあるよね。





そんなことを思いながらも、体は前に傾く。






グイッ





いきなり腕を強く引かれる。





そして、あたしが向かった先は誰かの胸の中。





スッポリと埋まった。





「あぶねー、中谷大丈夫?てか悪い」




助けてくれたのは山崎くんだった。






少し早い鼓動が聴こえた。





「大丈夫、ありがとー!」





あたしは顔を上げる。





ちょうどここからは、唯華たちと入り口が見えた。







「え……」






あたしは言葉を失った。








だって。