「中谷?」





「あ、あたしもう着替えるよ!」





ていうか、山崎くんスゴイ。




「山崎くん、カッコいいね!」





感想を言って誤魔化す。




でも、本当のことだから。





「誤魔化すなって。ホラ、早く」





むー、何言っても無駄かぁ。





「樹里!どうせ本番でも着るんだからいいじゃない」






「ええっ!?これを……!?」





唯華をチラリと見返すと黒い笑顔だった。





悪魔の微笑みだ……。




あたしは唯華に負けて、山崎くんの手に自分の手を乗せる。





そして、試着室から出ようとした時、足がつまづいてしまい前に傾いた。







「え?」